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「強盗だ! 騒ぐんじゃねぇ!!」  銀行で所用を済ませている最中に、突然目出し帽をした二人組の男がやってきた。身長は180cmと175cm、筋骨隆々な犯罪者達に十人居た店内の人間は全て拘束されてしまった。ーー咄嗟に机の下に隠れた僕一人を除いて。  営業中の14時にも関わらずシャッターがおりていく。犯人達が行員の女二人にお金をかき集めさせ、黒いバッグに入れさせている最中、僕は犯人達の視界に躍り出る。  159cm、26歳の小さくて頼りない白衣を着た眼鏡の僕が。 「僕、思うんです。目出し帽って犯罪目的以外に使うところあるのかなって」 「なんだてめぇ、さっき数えたときには居なかったな!」 「撃たない方が良いですよ」  僕は静かに持ってきていた箱を開ける。男達は銃を持っているが構わない。目の前に持って来たのは、発泡スチロールで出来た箱。 「奇遇ですね。今日、丁度僕も銀行で犯罪をしようと思っていたんです」 「はぁぁ!?」
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