弱る心に染みる言葉

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伊織くんに言われて初めて自分の身体の違和感に気づいた。 身体が火照っていて頭もズキズキと痛いことを実感し始めると、体調が悪いような気がしてくる。 自分でも額に手を当てて確認すると確かにいつもより熱い気がした。 伊織くんは心配そうに私の顔を覗き込む。 「これくらいなら大丈夫だよ、まだ片付けもあるし」 ガタッと立ち上がるとグラッと立ちくらみがし、思わず立っていられなくなった身体が大きく揺れる。 それをガッチリとした筋肉質な大きな身体で支えられ包み込まれた。 長くがっしりとした腕が腰に回され伊織くんのほんのり甘い香りが私の鼻腔をくすぐる。 自分が思ったより体調が悪いのか、全身がだるく思うように身体に力が入らない。 「言わんこっちゃない」 力の入らない私の身体をいとも簡単にお姫様抱っこした伊織くんは、問答無用で寝室へと私を運んだ。 そのままベッドの上で私を下ろす。 「とりあえず休むんだ。着替えはどこにある?」 「部屋の1番下のタンスの中⋯」
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