弱る心に染みる言葉

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契約結婚を滞りなく妻として演じないといけないというのに。 そんな私の不安をかき消すように伊織くんは私の頬をそっと撫でた。 「そばにいてやるから、目を閉じてみな」 「うん⋯」 そっと瞼を閉じるととつぜん睡魔が私を襲う。 瞼が重く持ち上げられない。 私の意識が遠のくその瞬間まで伊織くんは私の頭を撫で続けてくれる。 それがとても心地よくて私は自然と意識を手放していた。
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