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柔らかくてふにゃふにゃとした感触が伝わり、無性に触れたい衝動に駆られた。
必死に自分の中にある理性をフル稼働させ気持ちを落ち着かせる。
どうやら心春はおそらくスタイルがいい方の女性なのだろう。
下着の隙間から覗くふくよかなふたつの膨らみがしっかりとあり、寝転ぶ彼女に谷間を作っていた。
心を無心にしそのまま下の服も無事に着替えさせる。
かなりぐっすり眠っているためか全く起きる気配はない。
(起きたら謝らないといけないな。嫌われないといいけど⋯)
目覚めたら真っ先に心春に謝らなければならないことができた。
果たして許してくれるだろうか。
そのまま俺は彼女の前髪を額から避け、冷えピタをおでこにそっと貼り付ける。
一瞬冷たかったのか眉間にシワが寄ったが目を覚ますことはなかった。
心春を起こすことなくミッションを終えた俺は最後に掛け布団をかけ直し、すやすやと眠る横顔を見つめる。
彼女の左手の薬指には一緒に選んだ結婚指輪が輝いていた。
俺がどんな感情を抱いているかなんてきっと心春は知らないだろう。
俺自身もそれを今知らせるつもりはない。
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