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「おやすみ心春」
火照った心春の頬にそっと口付けを落とす。
そのまま俺は寝室を後にした。
今晩はリビングにあるソファで眠ろうと思う。
心春にはしっかりと療養してほしいし、きっと俺が一緒に寝ていたら翌日に目を覚ました時に彼女なら申し訳なさを感じてしまうはずだ。
そうなる未来が簡単に想像できたため、クローゼットから引っ張り出してきたタオルケットを準備しソファになだれ込む。
明日起きたらまずは心春の体調の確認をしよう。
そのあとはたっぷりの卵を使った雑炊を作り、水分をたくさん取らせてたっぷり休んでもらう。
誰かのために次の日のことを考えるのは初めてだった。
それがなぜかとても幸せなことのように感じて、初めての感覚に驚いている。
目が覚めても心春がいる。
たったそれだけのことで俺はこんなにも気持ちを昂らせることができる事実に驚いていた。
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