無口で無愛想な旦那様の拗らせ愛は重すぎ注意

運命の再会？

ほとんど修正は終わっているがあと少しデバッグ作業が残っており、不具合の原因を特定、修正、排除を再び行う。
私が請け負っている最後の案件は新作ゲームのWebサイトの作成だ。

みんな私がしているプログラマーという仕事をかっこいいと褒めてくれるが、みんなが思うほどかっこよくはないと思う。
とても地味だし一つのWebサイトを完成させるためにかなり時間がかかるというのに、進捗が分かりづらいのも難点だ。

しばらくパソコンと向かい合っていると私の向かい側のテーブルにある男性が座る。
焦げ茶の短い髪を綺麗に整え、シワひとつないスーツを着こなした端正な顔立ちはかなりのイケメンだった。

身体も大きく鍛えているんだろうなというのがスーツの上からでも分かる。
スーツの腕部分がパツッと張っており筋肉質な身体の線が浮き出ていた。

そんなイケメンは切れ長の目元が印象的で綺麗な二重が前髪の隙間から覗いているが、表情に変化はなく無愛想な雰囲気を醸し出ている。
まじまじと顔を見てしまっている視線に気づいたのか、その男性が顔を上げるとバチっと視線がぶつかり合った。

整った顔立ちの彼と視線が絡み合い真っ直ぐに瞳を見つめられ、私はそんな彼から目を離すことができない。
私の顔を見たその男性は一瞬だけ目を見開くと、そのままズカズカと何も言わず私の元へと近づいてくる。