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「あ〜やっぱ姉ちゃんの作る唐揚げが1番美味しい!世界で1番好きなご飯!」
「褒めすぎだよ冬麻」
「伊織さんもそう思いますよね!」
「そうだな。心春の作るご飯は世界で1番美味しい」
昨日から味をつけて仕込んでおいてよかった。
目の前で美味しそうに食べてくれる冬麻の姿を見ると私まで嬉しくなるし、こういう顔が見たいから好きなものを作りたいと思う。
チラッと横を見ると伊織くんもまた大きな口で唐揚げとご飯を頬張り美味しそうに食べてくれていた。
その姿を見た私の心には愛しいという感情が芽生える。
それは異性としてなのか、はたまた友人としてなのか、それを確実にするのが怖い。
そうしてしまえば私はこの関係を続けられなくなってしまうような気がしていた。
「冬麻くん、今日は泊まってていいからな」
「え、いいんですか?!何から何までありがとうございます」
昼食の時間は冬麻のフレンドリーな性格のおかげでとても穏やかに楽しい時間を過ごせた。
あっという間に過ぎ去っていくように感じたがそれも楽しいと思えるからこその感覚なのだろう。
昼食後も昔話やお互いの家族のこと、仕事や学校のことなど他愛もない話をし一瞬で夜を迎えるのだった。
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