曖昧なキス

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*** 1日の片付けを全て終え、あとは寝るだけという所まで準備した私はソファに座って待ってくれている伊織くんの元に近づき隣に腰を下ろした。 既にお風呂も入り終えているため髪は下ろされており、スウェットを着た姿はすごくラフに感じる。 「片付け、ありがとな心春」 「ううん、こっちこそだよ。本当にありがとう」 冬麻はというと一足先に布団に入り、はしゃいで疲れたのかまるで子供のようにぐっすり眠っていた。 部屋はたくさんあるため空いていた一室に布団を引いて寝てもらっている。 伊織くんはわざわざベッドを買うと言ってくれたが、かなり必死に止めてなんとか阻止することができた。 止めないと伊織くんはどこまでも私のために何かをやろうとしてくれるためとても危うい。 今日1日で冬麻が根掘り葉掘りいろんなことを伊織くんに聞いていたが、全て真剣に答えてくれていてそれが彼の誠実さを表していた。 契約結婚なのだから適当に流してくれてもよかったというのに、優しいのか真面目なのかどちらにしても伊織くんらしい。 「冬麻くんは本当に心春のことが大好きなんだな。すごく仲良し姉弟って感じが伝わってきたよ」 「まぁそうだね⋯2人しか家族がいないからずっとお互い支え合ってきたし、普通の姉弟より仲良しかもしれないね」
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