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「おはよう冬麻」
「おはよ姉ちゃん」
冬麻と2人でリビングに行くと伊織くんが人数分のコーヒーを準備してくれていた。
それを3人でダイニングテーブルに座っていただく。
「ほんとに朝ご飯もいらないの?」
「うん。これから高校の同級生に会う予定だし、ありがとね」
夏休みだからこそ地元に帰ってきたこのタイミングで会いたい友達もそりゃいるだろう。
私だけが冬麻を独り占めしちゃ悪い。
私の隣でコーヒーを飲む伊織くんの様子をチラチラ伺う冬麻の様子を見ると、何か言いたげな雰囲気を感じ取った。
何かまた伊織くんに余分なことを言い出すんじゃないかヒヤヒヤする。
「伊織さん」
「ん、どうした?」
「帰る前にどうしても言いたいことがあって、いいですか?」
「ちょっと余分なこと言わないでよ?」
「姉ちゃんは少し静かにしてて。俺と伊織さんで話したいことなんだ」
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