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「どうしよう伊織くん。服装とかこれでいいかな?!」
「すごく可愛い」
「そういうことじゃないよ⋯!」
伊織くんに聞いた私がバカだった。
頭をフルに回転させ伊織くんの両親を出迎える準備を始める。
ちょうど冬麻が持ってきてくれたバームクーヘンがあるためお茶菓子として出すことができる。
それにコーヒーも準備があるからこれに関しては問題なさそうだ。
(ナイスだよ〜冬麻。持ってきてくれたバームクーヘンありがたくいただきます)
「めちゃくちゃ緊張してきた⋯⋯」
「大丈夫だよ心春。そのままで十分魅力的だから」
(伊織くんは契約結婚の秘密を抱えたままの結婚の挨拶に緊張はしないのかな)
顔色を変えることなく悠長に両親を待つ姿を見ると、1人テンパっている私がおかしく思える。
こんなふうにドーンと構えられたらどれだけ楽か。
そんなことを考えていると家の中にインターホンが鳴り響いた。
それと同時に私の緊張がピークに達し、口から心臓が飛び出るんじゃないかと思うほどバクバク暴れている。
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