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そんな視線なんて一切気にしていないのか、東雲くんの瞳には私しか映っていないようだ。
東雲くんと一緒にいる私にも同じように視線が向けられ、若干居心地の悪さを感じる。
「東雲くんはここで何してるの?」
「ここよく来るカフェなんだ」
「そうだったんだ!私もよく来てるんだけどなかなか会わなかったね」
確かにこのカフェの近くには東雲ホールディングスの本社がある。
そう考えれば彼がここによく来るということにも納得できた。
学生時代よりも大人になったからかより色っぽさやかっこよさが際立っており、なぜかドキドキとしてしまう。
そんな私の思いをよそに東雲くんに身体に穴が開くかと思うくらい真っ直ぐ射抜かれ、視線を逸らすことができない。
「加賀美は今何してる?」
「プログラマーとして働いてるよ。でも私が働いてる会社、1ヶ月後には倒産しちゃうんだけど」
「仕事、なくなるのか?」
「そうだね⋯探さないとって思ってるところ」
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