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スキニーパンツにオレンジのキャミソールの上からオーバーサイズのシャツを羽織った姿はどことなく伊織くんの服に似ていた。
彼もまたデニムに薄いブルーのトップスに白いシャツをはおっている。
「なんか変かな?」
「いや、すごく可愛い」
「っっ!!」
ナチュラルに可愛いと言える伊織くんが恐ろしい。
こんな言葉をいろんな子にかけられると思うとそりゃモテるだろうな、なんて考える。
そんな気も知らない伊織くんは腕時計の時間を確認するとそのまま行こうか、と言って私に背を向けた。
それについていくように一緒に家を出る。
「今日はどこ行くか決めてる?」
「心春にプレゼントをしまくる日だ」
「え、何それ!聞いてないよ私」
「前言っただろ?俺がプレゼントしたもので心春を全部染め上げたいって」
(あの言葉って本気だったんだ⋯⋯)
確かにそんなような言葉をくれた記憶はある。
だけどまさか本気とは思わなくて、本当に伊織くんの本心は何を考えているのか分からない。
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