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その後、東雲くんと連絡先を交換する。
入社までのやり取りだけでなく、単純に同級生として連絡を交換しようということになった。
「何かあれば俺を頼ってくれ」
「うん。本当にありがとう」
「⋯⋯加賀美の力になれて良かった」
無口で無愛想な東雲くんが口角をほんのり上げて微笑んでくれた。
高校生の時からそんなにたくさん笑っている姿を見ていなかったからか、その微笑みはとてつもなく綺麗で見惚れてしまうほど美しい。
私に向ける視線は最後まで甘ったるくてそんな視線を向けられる理由が分からないままだ。
とにかく東雲くんは昔から変わらず、いや昔に増してかっこよくて人目を集める大人に成長していた。
「こんな上手い具合に東雲くんに出会えるなんて奇跡かな」
「どうだろうな」
「会えて良かった東雲くんに」
「俺もだ」
なんでもない会話のはずなのにこんな素敵な男性にそう言われるとやっぱりドキッとしてしまう。
彼との出会いがこれからの私の人生を大きく変える。
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