記憶の中の東雲くん

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寧々ちゃんと呼ばれた清水寧々(しみずねね)は高校時代に出会った私の友人で、気が合うためこうして大人になった今でも会うことが多い親友だった。 掻き分けた肩より短く明るすぎない焦げ茶の髪を緩く巻き耳にかけたその姿はすごくかっこいい。 「あーー最っ高!」 「いい飲みっぷりだね寧々ちゃん」 「ちょっと仕事でムカついたことあってさ」 寧々ちゃんはインテリアコーディネーターとして活躍しているが上司と馬が合わないらしい。 会う度に愚痴が多くなっている気がするが、なんだかんだ続けているため楽しんではやっているみたいだった。 「まずはお肉頼もう。タンでしょ?あとはカルビとハラミ、ホルモンも頼もう」 「うんうん。そうだね、白米もいっちゃおう」 「焼肉といえば白米よね。やるじゃん心春」 机に備え付けのタブレットでいくつかのお肉を注文し、最後に白米を頼んだ。 その間も寧々ちゃんの愚痴は止まらない。 「だから私はあれだけ期限に間に合わないって言ったんだよ」 「確かにそう前も言ってたね」
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