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友達になりたいと思えたのは彼女が如月の令嬢だからでもないし、麗華さん本人に惹かれたからだ。
それに伊織くんの考えた案を上手く進行するためには麗華さんの協力は必要不可欠となるだろう。
「麗華さん。彼と素敵なひとときを過ごしてくださいね」
『はい。またね心春さん』
たまに麗華さんの口調が敬語から砕けたものに変わるのが意外に嬉しかったりする。
心を許してくれているのかな、なんて都合のいい方に考えてしまった。
これから大変なことが待っているだろうけど、今のこの瞬間を私たちも麗華さんたちも幸せに過ごせているなら心から良かったと言える。
この先のことはまたみんなで考えて乗り越えていけばいいのだから。
電話を終えた私は宴会会場へ戻ろうとするとちょうどこちらに伊織くんが向かってきていた。
遠くから歩いてくる姿ですらとても映えていて見惚れてしまうほどかっこいい。
長身で筋肉質なその体格とスーツが似合いすぎていて思わずニヤニヤしてしまうくらいだ。
私の目の前まで来た伊織くんは私を見つめてまた甘く微笑む。
「電話、終わったか?」
「うん。麗華さんも喜んでた。麗華さんの彼も、前に進めそうだって」
「そうか、それはよかった」
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