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先行き真っ暗な人生ってきっと今の私みたいな人のことを言うんだろう。
27歳、仕事に全力だった私は突然無職になることが決まりました。
私は加賀美心春、27歳。
プログラマーとして現在働いているこの会社の倒産が1ヶ月後の4月に決定したと告げられたのは突然の出来事だった。
従業員が100人ほどのそこまで大きな会社ではないがプログラマーとしてやりがいも感じていた矢先のことで、誰一人この現実を受け入れられていない様子だ。
一緒に働く社員たちは途方に暮れており、再就職先を急いで探していた。
それは私自身も同じで、どうしても私には働き続けなければいけない理由がある。
私には4月から大学3年生になる弟がおり、彼の大学の学費を払うために無職になるわけにはいかなかった。
「突然倒産なんてありえない。仕事なくなったら私たちどうなるのよ」
「こんなぎりぎりまで言ってくれないなんて、どういうつもりなんだよ」
会社に対しての不満が同僚の口々から溢れていき、空気がどんどん重たくどんよりとしていくのが分かった。
そんな風に愚痴や怒りを言いたい気持ちもすごく分かる。
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