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小さく会釈した高柳くんは再びパソコンに向き合い作業を始める。
黒い髪の毛はあちこちぴょんぴょんと跳ねており寝起きのままそのまま来たのかなと思ってしまうほどだ。
彼の机の上にはいろんなゲームの本やキャラクターのアクリルスタンドなどが置かれている。
ゲームオタクという佐藤くんの印象はあながち間違っていないのかもしれない。
「恥ずかしがり屋だから尚は。そのうち仲良くなれるよ。そんで彼女は間宮雛菊。25歳の乙女ゲームが大好き子なんだよ」
「こはるんはこの中だと誰が好みですか!!」
「えーっと⋯⋯」
彼女の手には4人の男の子のキャラクターアクリルスタンドが握られていた。
王道イケメンにインテリイケメン、童顔なイケメンに色気溢れるイケメンの4人で自然と私は王道イケメンに目を惹かれる。
なんとなくその雰囲気が東雲くんに似ていて頭には彼の笑顔が思い浮かんだ。
キラキラとした目で私を見つめる彼女は私の答えにとても期待してくれているみたいだった。
「この子かな⋯」
「なるほど⋯こはるんの好みは正統派イケメンなんですね。いいですよ彼は一途なのでハッピーエンド確定です」
「あ、そうなんだ。一途は嬉しいなぁ」
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