プロポーズ

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*** 家までの帰路に着いた私は散歩がてら、少しだけ遠回りをすることにした。 7月に入ると夜も蒸し暑く、ほんの少しだけ汗がにじみ出る。 ジャッケットを脱ぎ腕にかけ、黒いブラウスとブラウンのパンツ姿となった。 遠回りしているため繁華街の近くを通るといろんな人たちが歩いている。 飲みに行こうとする人たち、夜の街に誘おうとする露出高めの女性など色んな人たちがいた。 そんな楽しそうな人たちを見ているとまた寧々ちゃんと飲みに行きたいなと思える。 その中を歩いていると2人組の男性が私に近づいてきた。 スーツ姿で見た目だけはしっかりしており、悪い印象はない。 「お姉さん、1人なんですか?」 「⋯⋯」 「すみません、怪しいですよね。すごい綺麗な人だからつい声をかけてしまいました」 こういう手のナンパはチャラくていきなりタメ口で話しかけられるようなイメージがあったが、この人たちはそうでもなさそうだ。 腰は低く丁寧で髪もしっかり整えられており、スーツもシワなく高級感さえ感じられた。
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