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東雲くんは私の事なんてきっと何も分かってない。
お金のためなら私は知らない人にだって抱かれてもいいと思っていた。
そんな心があるなんてきっと東雲くんは知らない。
彼の私の記憶は高校で止まっている。
私はもう子供じゃないし、綺麗なままじゃないんだ。
「俺はあんな知らない男たちに加賀美を触れさせたくない」
「⋯⋯」
「だからあの場で止めたんだ。どうでもいい女なら止めたりしない」
「それは⋯⋯」
「今度は加賀美が話す番だ」
東雲くんはとてもずるい。
無口な彼なのに先に自分の気持ちを話し、その後に私に話せと言うのであれば嫌だと言いにくい。
それがきっと分かってるから先に自分の気持ちを話したんだ。
完全な策略にはまった私は話さざるを得なくなる。
「⋯お金が必要なの」
「なんのために?」
「⋯⋯」
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