プロポーズ

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もう黙っておくことはできないようだ。 私は観念し、私が置かれている状況、どうしてお金が必要なのかを全て話した。 「なるほど⋯弟の学費のためにお金が必要だと」 「うん」 「それでお金もらって身体を売ろうってか」 決して私を責めるような言い方ではなくただ事実を受け入れてくれたような感じだ。 幻滅されてもおかしくないし、こんなことをするような人間は会社に必要ないと言われても仕方ない。 そう言われることもある程度覚悟していた。 東雲くんはサイドテーブルにカップを置くと私と距離を詰め、顎をクイッと持ち上げ自分に向けさせる。 「しの、のめくん?」 「なら俺がアイツらの3倍金を出すと言えば、俺と寝てくれるのか?」 「それは⋯⋯」 髪の毛が少しだけ切れ長の二重の目にかかり、私の瞳を覗き込むその奥にどんな感情を宿しているのか読み取ることはできない。 お金はとても魅力的だが私はそれでも東雲くんと寝れるのだろうか。
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