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「俺と、結婚しよう」
生まれて初めてのプロポーズは愛する人からのものではなく、久しぶりに会った高校の同級生からのとてもロマンチックなシュチュエーションとは言えないものだった。
私に求婚するその男は、無口で無愛想な割に私を見つめるその瞳だけは言葉を言わずとも分かるくらい甘味を帯びている。
目は口ほどに物を言う、とも言うがまさにその通りだ。
私の手を取って愛の言葉を囁くその姿だけは、端正な顔立ちと相まって王子様のようだ。
結婚しようと囁くその男の本心を、私はまだ知らない───。
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