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"結婚しよう"そう甘く囁いた彼は私の恋人でもない、ただの同級生だった。
突然のプロポーズに私は動揺することしかできず、返事すら保留にしてもらっている。
東雲くんの提案から1週間、今日は仕事終わりに彼と会う約束をしていた。
彼の提案はとても分かりやすく簡単なものだ。
提案内容はこの先、私にかかる全てのお金を東雲くんが出してくれるということ。
それは私個人にかかるものだけでなく、弟の学費や生活費全てを含むらしい。
逆に私が働くお金は私の自由に使ってもいいとのことで、もちろんそれを弟の学費に費やすのも自分に使うのも好きにしていいとのことだ。
どうして彼がそこまでしてくれるのか、それが気になり聞いてみると彼なりの理由を話してくれた。
いい年齢のため結婚を勧められ面倒に思っており、女避けやお見合い避けのために結婚することが彼にとっては都合がいいらしい。
お互いの利益が一致している状態のためその提案をしてくれたとのことだ。
そんな理由で簡単に結婚なんてしていいもんなのだろうか。
だけど私がそれをどうこう言える立場にいないことは分かっている。
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