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高校の同級生であれば突然の結婚でも違和感はほとんどないし、話を詰められたとしてもどうにでもなりやすい。
それに私としてはお金を助けてくれることが何よりも大きい報酬だ。
お金に目がくらみ、私は彼の提案を受けようとしている。
ただ1つ、この契約結婚の破談条件を提示されていた。
お互いに本当に好きな人ができた時は潔く離婚する、というのが条件だ。
東雲くんは無口で無愛想だが顔はすごく整っているためかなりモテるはず。
すぐに好きな人ができて私との結婚は破談になりそうな予感がしている。
それであれば短い時間でも甘えられるところは甘えてみようか、というのも私がこの提案に乗る1つの理由だ。
「こはるん、顔が暗いですよどうしたんですか?」
「え、そう?普通だよ」
「いや絶対普通じゃないです。パソコン見てる顔がめちゃくちゃ険しかったです。まさか攻略キャラとうまくいってないんですか?」
翔くんと尚くんはお昼休憩に先に行っており、私と雛菊ちゃんは残って作業を続けている。
私の顔を覗き込んで心配そうに眉を八の字にさせるのは乙女ゲームオタクの同僚だ。
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