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東雲くんが機嫌がいい理由は私には分からないが、どうやらそんなタイミングらしい。
私が彼からの提案を受け入れることで機嫌を損ねないといいが。
「ま、またあとで話そう。ごめんね呼び止めちゃって。お昼行っておいで」
「うん、ありがとう。雛菊ちゃん一緒に行こう」
雛菊ちゃんと2人でランチを食べに出かけた。
近くにパスタが美味しいお店があるとのことで行ったものの、雛菊ちゃんは終始落ち着かないようだった。
彼女曰く、陰キャの自分からするとキャリアウーマンが眩しすぎる、らしい。
それはなんとなく私にも分かる。
そもそも私たちがやっている職業はオタクとも捉えられやすいし根暗、地味とも思われがちな仕事だ。
キラキラした都会のOLと比較すると全くそんな気配はなく、むしろ私もキラキラ女子はそんなに得意ではない。
根は根暗であることは自覚しているつもりだし、インドア派のため雛菊ちゃんの気持ちも分かる。
早々に食べ終えた私たちは2人身を寄せあいながら会社へと戻った。
その後定時までみっちりと作業をし、キリがいいところまでデバック作業をこなしたあと、東雲くんとの約束の場所まで向かう。
目的地のマップを送ってもらっていたため、歩いてそこまで向かった。
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