27歳、先行き真っ暗

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会社から家までは15分ほどのため、いつも運動がてらに歩いて出勤している。 帰りも同じように時間をかけて一人暮らしのアパートへと向かった。 弟は臨床検査技師になるため大学に通っており、その大学の学生寮に住んでいる。 医学系の学校の学費はやはり高く、無職になってしまえば到底払っていくことはできないため早急に仕事を見つける必要がありそうだ。 1人で住む1Kのアパートに着いた私は着ていた服を脱ぎ部屋着に着替え、デスクにノートパソコンを広げ再び仕事を開始する。 作業自体が時間がかかるにも関わらず、その時間に対しての進み具合があまり感じられないのはプログラマーのデメリットの1つかもしれない。 だけど何も考えずに没頭できるのが私は意外と好きだった。 集中しすぎてどのくらい時間が経ったか分からなくなるほど、ノートパソコンに向かい合っていたようで気づけば既に夕方になっており部屋にはオレンジの夕日が差し込んでいる。 喉が渇いたためコーヒーでも入れようと立ち上がるとスマートフォンに着信が入った。 急いでディスプレイを確認するとそこには弟の名前が表示されている。 「もしもし冬麻(とうま)?どうした?」 『あ、姉ちゃん?今ちょっと時間いい?』 「うん、大丈夫よ」
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