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「ならこれにしよう」
「え、本気?」
「だって心春に似合ってるし可愛いから。それが1番大事だろ」
「でも⋯⋯」
「俺にも似合ってるって言ってくれたし、心春がそう言ってくれたのを俺も着けたい」
お揃いのデザインの結婚指輪は2人合わせて200万弱はするものだ。
それを平気で即決できるところがお金持ちの考えることは分からない。
それになぜだか彼の顔はとても嬉しそうだった。
私が似合うと言った時も小さく微笑んでいたし、これにしようと言った時も愛おしそうに私を見つめてくれていた。
そのまま私は流されるようにとんでもない金額の結婚指輪を購入してもらった。
サイズもお互いピッタリのものがあり、クリーニングで綺麗にしてもらったあと私たちの指に通される。
左手の薬指に輝くキラキラと美しいダイヤモンドの指輪が眩しく、それと同時に重みや責任も感じた。
契約結婚とはいえ、私は今日から彼の妻だ。
お揃いのデザインの指輪が真新しくお互いの薬指に輝く。
ただの契約結婚の妻相手にこんな額をかけてくれるなんていくらなんでも甘すぎやしないかとも思う。
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