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寝室のことを全く考えてなかった。
そもそも夫婦ってどこまで演じればいいのだろうか。
家の外だけでなく、家の中でもちゃんと夫婦をすべきなんだろうか。
というか伊織くんは足りないものがあれば買い足せばいいと言っていたがまさか私のベッドもそのつもりなのだろうか。
「あのひとつ聞くんだけど、今ベッドは家にある?」
「ない。だから買う必要があるな」
「買うとしたらどんなの買うか決めてる?」
「俺が使ってるのと同じのを準備しようかと思ってるが、それがどうかしたか?」
すごく嫌な予感がする。
元々伊織くんが持ってるものと同じだとすればすんごいお値段のものを買おうとしているのではないか。
「あの、伊織くんのベッドって結構高級なやつ?」
「気にしてなかったが多分200万くらいだと思う」
とんでもない金額が飛び出してきて私は開いた口が塞がらない。
それをまた私に使おうとしていると思うともはや彼が怖くなってきた。
たった今結婚指輪に200万弱使ったばかりだというのに、お金を惜しまない所が本物のお金持ちだとも思うが、いくらなんでも使いすぎだ。
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