結婚生活の始まり

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「それに翔は高校の同級生でもあるし、俺たちが突然結婚したことに何か理由があることをすぐ気づくはずだ」 「それを言うなら、寧々ちゃんって分かるかな?清水寧々ちゃん」 「そういえば⋯何となく覚えてる」 「あの子も同級生だし私の親友だからすぐ勘づかれると思う」 話し合った結果、翔くんと寧々ちゃんには聞かれたら本当のことを話すことにした。 同級生だし私たちの関係を隠しきることはできなさそうだ。 それに長い付き合いのため、ある程度私たちのやることに理解してもらえそう、というのも大きな理由となった。 「会社のチームの人には結婚したことは伝えようかな。指輪着けてればすぐ気づくだろうし」 「そうだな」 「でもそれ以外の人にはまだ黙っててもいいかな?」 なぜだ?と言わんばかりに少し首を傾げて私の言葉を促す伊織くん。 決して、彼との結婚を誰にも知られたくないわけではない。 ただ私は中途入社したばかりの新人でいきなり結婚、その相手が会社の専務取締役だなんて知られればどういうことになるか少しだけ予想が着く。 あまり今は目立ちたくない。 「まだ入社したばかりだし、今は仕事を頑張らないといけない時期だからだめかな?」
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