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8月下旬、伊織くんと結婚してからというものバタバタとしておりあまり落ち着く時間がない。
というのも名前や口座名の変更などする必要があるため休みの日も区役所などを訪れる日が続いている。
9月頭には冬麻も帰ってくると言っていたし、それまでに結婚のことも伝えておかなければならない。
それに寧々ちゃんにもまだ伝えられていないし、考えれば考えるほどやることが溢れてくる。
そして私の最大の壁が明日に予定されている伊織くんのご両親に結婚の挨拶に行くことだ。
彼の両親には会ったことはないため初めてお会いする。
さらに伊織くんの父親ということは、まさに私が働く東雲ホールディングスの代表取締役ということだ。
その方に挨拶だなんて緊張しないわけがない。
今から気が重いし緊張でどうにかなってしまいそうだ。
それに今週末に1つ、私たちのチームは締切がある。
余裕を持って作業はしていたがやはりギリギリになりそうなため、家に帰っても少しやった方がいいだろう。
チームのみんなもパソコンに向き合って作業に取り組んでいた。
「あ〜少し休憩する?」
「糖分摂取しましょう。チョコありますよ私!」
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