0人が本棚に入れています
本棚に追加
/24ページ
「うそ、だろ......」
二週間後......。
瑠璃と名付けた人形の、かぶっている帽子の先、一本の糸が突き出て
明らかに不自然な長さになって立ちそびえていた。
「怖すぎ!!」
しかも『他のことは両腕を振って、できるんだけどね。歩けるし』
と、骨董屋の店主が言っていたが、モノの位置が変わっていることも
少なからずあった。
床に落としたままのタオルが洗濯機の上にあったり。
まさか人形がしている?
どうしよう、今夜、配信しようと思っていた。
もちろん「なーんにも起こりませんでしたーっ」とか言って
笑いのネタにするつもりだった。
このところ常連の視聴者は増えている、これくらいのことでは
離れていくタイプじゃない。
なんとなく怪異の話題で盛り上がりたい、そういう連中だ。
本当に帽子の先が伸びました。
いや、それはヤラセだと叩かれてしまいそうな気がする。
伸びたことも怖いが、炎上はもっと怖い。
炎上で再生数や閲覧数が伸びることのほうが......恐ろしい。
カツカツカツ、と、音がして、俺は叫んだ!
最初のコメントを投稿しよう!