VII

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VII

 今日はマッチングした相手と3回目のデートをする。これまでに21人とマッチングして、2回目のデートで殆どの相手を切った。この男が本命である。運命の線は自ら進む方向を選ぶべきなのだ。  収入も、顔も、身だしなみも合格点。変にロマンスを求めていないところも好感度が高い。  そう考えると、初めから婚活アプリで結婚を見据えた相手と繋がるべきだったのかもしれない。下手に恋愛や人となりを見てみたいなんて思ったから遠回りしたのだ。  夜景を見ながらのお食事の後、32歳の中肉中背スーツ男はこう言った。 「遅いから送って行くよ」 「ありがとうございます」  こういうところもポイントが高い。元カレやヒモ男にはないスキルだ。 * 「あの、もう、この辺りで」 「遠慮しないでいいよ。夜道は危ないから」  この男。どこまでも。着いてくる。  もう最寄駅に着いてしまった。家はここから徒歩10分。 (住んでるところまで付いてくるつもり!?)  やがて結婚する仲だから住んでいるところを明かしても良いという気持ちと、警戒する気持ちが両方ある。 (でも、なんか、なんか嫌)
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