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そうこうしている内に、アパートのすぐ近くまで着いてしまった。暗がりの中、街灯が怪しく私達を照らす。
「あの、本当にここで良いので」
「部屋まで送るから。ほら、すぐなら逆に大丈夫でしょ?」
(何が逆にだ。......気持ち悪い)
口調は心配しているのに、なんとなく強引さを感じる。部屋をなんとしてでも知りたい、みたいな。
(ここまでね)
「あの! 帰ってください」
「は? なんで怒ったの?」
「いや、怒ったとかそういうのじゃないんで。あの、帰らないと警察呼びますよ」
可能な限り冷静なトーンで告げると、男は顔を真っ赤にする。
「はぁっ? こっちは心配して送ってるのに? これだから女様は」
「はぁ......っ?」
「良いから部屋ぐらい送らせろよ。デートの最後に部屋まで送る。別に取って食う訳じゃないのに自意識過剰なんだから」
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