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スクエア(もしくは『山小屋の4人+X』)の話は、おじいちゃんが私を怖がらせようとして以前話してくれた。
雪山で遭難した4人が山小屋に到着した。
彼らは寒さを凌ぐことと夜明けまで眠らないようにと、軽い運動をすることにした。
しかし、山小屋の中は真っ暗。下手をすれば怪我をしてしまう。
4人はそれぞれ部屋の隅に移動し、壁伝いに順番に時計回りに歩くことにした。
1人目が次の隅にいる人をタッチし、タッチされた2人目が次の隅を目指す。
2人目が次の隅にいる人をタッチし、タッチされた3人目が次の隅を目指す。
3人目が次の隅にいる人をタッチし、タッチされた4人目が次の隅を目指す。
4人目が次の隅にいる人をタッチし、タッチされた1人目が次の隅を目指す。
そうすることで、お互いの生存確認にもなると思ったのだろう。
彼らはひたすらぐるぐる回り続け、無事に夜明けを迎えた。
しかし下山してから考えると、おかしい事に気がついた。
4人目が次の隅に到着した際、1人目はそこにいないはずなのだ。一番初めに次の隅へ向かっているからだ。
4人目は余分に歩いたりはしていないし、確かに誰かがいたと言う。
つまり、この暗闇の中に5人目がいたことになる。
この5人目のおかげで彼ら4人は救われた……という、ホラーだけど深イイ話。
なんだけど……27人でスクエアをするの?
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