猫?わんこ?な男

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 「だとしても、お世話になってるのは事実だから文句は言えないわ。 …私の事は良い。それよりあなたはどうして倒れていたの?」  「ワケアリだから。さっき、そう言ったはずだけどー?」  「私の事情を聞いたのだから、そっちも本当にの事を言うべきじゃない? こういう言い方は嫌いだけれど、私が治療をしなければ、あなたは今頃死んでたわ。」  ソフィは緑の瞳を(とら)え、言っていた。 柔和(にゅうわ)そうに見える顔立ちに反した、不敵な表情と(まと)う気配は、はっきり言って異様だ。 品があるが、風貌(ふうぼう)は旅人さながらに薄汚れ、危うく、ワケアリ感が(ただよ)う。 青年は何か抱え、隠している。 ソフィの言葉に、青年は目を細めて笑みを(こぼ)した。  「そーいうの、嫌いじゃないよ。 確かに恩人だからね~、キミには話してあげても良いかも。 オレはラオーネ。目的があってねー、遠くから旅してきたんだ。」  「目的って?」  「秘密~。」  「ちょっと、馬鹿にしてるの?」  「あは、どう思う?」 へらへらと笑うラオーネに、腹立たしさを抱いてくる。  「答えないならもう良いわ。怪我は動けないほどではないでしょう。そろそろ出ていって。」  「え~?もう少しゆっくりさせてくれても」  ソフィはラオーネの背中を押して、締め出していた。  「うわーん、ソフィがオレをいじめる~。」 ふざけた声が聞こえてくる。  さすがに少し可哀想(かわいそう)な事をしたかとも思うが、軽薄(けいはく)野郎なので、まあ良いか。とソフィは思った。
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