1人が本棚に入れています
本棚に追加
/4ページ
ガレオン再び?!
次の日、みんなで歌いながら、ギルドに向かう。
ギルマスのザンキさんが困った顔しながら、僕達を見た。そして、満面な笑みを見せ、近づく。
「キョウ君達、おはよう!!」
僕は答えた。
「嫌です!」
「まだなにも言ってないぞ?!」
「いやいや。絶対になんかあるでしょう?もう面倒臭いのは嫌です!」
「君たちに会いたい人がいるんだよ!それは拒否しないでくれ!!」
会いたい人?誰だろう?
とりあえず聞くことにした。
待合室に行くと、おじいさんがいた。
だが、ひ弱ではない。筋肉の固まりの2メートルあるおじいさんだ。
僕は、初めて会った気がしない。
はて?どこかで会ったことがある気がする。
ヘルダーラントが、言った。
「お、おじいちゃん?!」
おじいちゃんは、ヘルダーラントに、凄いスピードで抱きしめ、持ち上げる。
「可愛い孫、ヘルちゃん!!会いたかったぞ!!」
なんと、ガレオンがやって来た!!
ラプラス以外、臨戦態勢をとる。
ガレオンは、ヘルダーラントを抱きしめながら言う。
「待て待て!!争いに来たんじゃないぞ?我は、魔王軍を引退したのだ!!証拠に、ほれ。退職届けだ!!」
魔族語だが、さすが、ギルマス。
翻訳してくれた。
「大将ガレオン殿。貴殿は、魔王軍に尽力し、また、部下の指導をし、より一層、強固な守りを作りました。
年齢が満期になり、こちらは、痛いですが、これ以上、酷使するわけにはいかないので、あなたを名誉退職します。これからの人生、楽しんでください」
ホワイト企業かよ。
マジで、退職したんだな。
「な?我はもう自由だ。それで、元部下達にヘルちゃんを探してもらい、このギルドに来たのだよ」
魔王軍、僕達を敵と認識したな?
また、返り討ちにしてやる。
「おじいちゃん、く、苦しい。目、目が回る」
「おっといかん、いかん!つい嬉しくてな!!」
僕は聞いた。
「ガレオンさん。ここには1人で来ましたか?」
「そうだか?我を慕ってくれる部下達と別れたのは辛いが、ワシには、ヘルちゃんがおる!!可愛いだろう?」
確かに、美少女だが、変なもの食べる。それが、良くないよな。
「ソウデスネ」
「キ、キョウ。なんか変な返し」
軽く流す事にして、ガレオンさんに聞く。
「ガレオンさん。お孫さんは、元気ですよ。いつも助かってます」
ガレオンさんは嬉しそうだ。
「だろう?ワシが一時期、育てたんだ!そうだ!!話したいことがある!!」
すると、ふところから、絵?かな。たくさん出してきた。そして真顔で言う。
「ヘルダーラントよ。お前は見合いをしてもらうぞ?」
うん?見合い?ヘルダーラント、結婚すんの?と僕以外はパニックになる。
ヘルダーラントも驚いている。
「お、おじいちゃん、わ、我、まだ、ぼ、冒険者したい!」
「いやいや!!ヘルちゃんや?魔族は婚期を過ぎると、独り身になるのだ。結婚しても、年齢で産めなくなる。それに、冒険者なんて、稼ぎがよくないぞ?」
僕はツッコむ。
「ガレオンさん。僕ら、総資産10億超えてます。一生遊べますね」
「なに?!嘘だろう?」
メリーさんが、通帳を取り出す。
そして、ガレオンは驚いた。
「何だコレは?!本当に遊べる金が多いな?!」
大将や、それに近い奴は倒してきた。
おかげで、のんびりできる。
けど、人間、大金入ると、怠けてしまう。だから、定期的に働くのだ。
僕達は、以前話し合い、そう決めたのだ。
だが、サボれる時は、サボるのだ。
異世界で、金持ちになるなんて思わなかった。
最初のコメントを投稿しよう!