54人が本棚に入れています
本棚に追加
そんな中で一番揉めたのが《プリンス親衛隊》だったと聞く。
《プリンス親衛隊》の中で最もお妃候補に近かったのは親衛隊長の公爵令嬢で、長い立派な金髪をゴージャスな縦ロールにした美人だった。
私がシンデレラとして親衛隊の皆さんに紹介されて(紹介される前は、夢にうなされるほど恐ろしく思っていたのだが)、「私あなたなんか認めなくってよ!」と啖呵をきられた時、なぜか「この人とはいつか友達になれそう」と思ってしまった。
その勢いのよさに、妹を思い出したからだろう。
王子様と私の結婚式は厳かに、そしてその後のパレードは、国民の祝福のなかで華々しく行われた。
何年も前、夢中になって紙吹雪をまいた時みたいに、今度は私が馬車に乗って紙や花吹雪の中をパレードするなんて、不思議な気分だ。
でも、幸せだった。とてもとても幸せだった。
最初のコメントを投稿しよう!