私達の大団円

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 そんな中で一番()めたのが《プリンス親衛隊》だったと聞く。  《プリンス親衛隊》の中で最もお妃候補に近かったのは親衛隊長の公爵令嬢で、長い立派な金髪をゴージャスな縦ロールにした美人だった。  私がとして親衛隊の皆さんに紹介されて(紹介される前は、夢にうなされるほど恐ろしく思っていたのだが)、「(わたくし)あなたなんか認めなくってよ!」と啖呵(たんか)をきられた時、なぜか「この人とはいつか友達になれそう」と思ってしまった。  その勢いのよさに、妹を思い出したからだろう。  王子様と私の結婚式は(おごそ)かに、そしてその後のパレードは、国民の祝福のなかで華々しく行われた。  何年も前、夢中になって紙吹雪をまいた時みたいに、今度は私が馬車に乗って紙や花吹雪の中をパレードするなんて、不思議な気分だ。  でも、幸せだった。とてもとても幸せだった。
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