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沿道の途中、どこかで見たような一団が、ヒューヒュー言いながら手を振っているのに気が付いた。
《混沌の森》の男達だ。帽子を目深に被って顔が見えないようにしているのは、ペロー狼ね。
ありがとう、皆。
名有りも名無しも、全ての人に幸いあれ!
結婚式の後、妹はひっそり(というか、こっそり)海賊船に乗り込んだ。
「行ってらっしゃい。体に気を付けてね。シン…じゃなくて…なんて呼べばいいのかしら」
「そうねえ、女海賊Aとでも名乗ろうかしら」
「なんだか呼びにくいわ」
そう私が言ったら、その日の雲ひとつないの空のように明るく笑う。
「これで、このシンデレラ町で名前があるのは私だけになっちゃったわね」
感慨深くそう呟くと、女海賊Aから突っ込みが入った。
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