0人が本棚に入れています
本棚に追加
彼女はハンドルにもたれ掛かり、時々口元が何か言いたそうに動いていたけれど、僕の話に相槌を打ちつつ、まっすぐ海を眺めていました。今思えば、何か言いたいことがあるけど、切り出し方を見つけられていない、そんな感じでした。
そんな様子には全く気付かず、いつも通りの馬鹿話をしていた僕。
それでも、数分すれば、彼女の様子がおかしいことに気付きます。
僕は「どうかしたの?」と聞いてみました。思い返せば、ここまでの車中も、会話がうわっすべりしていた、そんな気がしていた事を思い出しました。
そんな彼女がようやく絞り出した一言。
「ごめんね、私達、今日で別れましょう」
最初のコメントを投稿しよう!