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8-1 はじめての巣作り***
*これから先、性的な表現を含みます。苦手な方は注意してください。
*R18要素あり。背後にご注意ください。
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それは突然だった。
(ぁあ。……ハジメに触れたい)
ぼんやりした頭で周りを見渡す。なんだろ?布の山が見える。
「ぁれ? これ僕がやったの?」
山になってるのはハジメの服だった。靴下にシャツにジーパンにトレーナー。
「ぁれ? あれれ? なんで?」
それどころか普段ハジメが身に着けてる白のシャツは自分が羽織っている。
かすかにハジメの匂いがしてそれだけで腰の奥が疼いた。
「なに……これ……はぁ。……ハジメ」
ハジメの匂いを求めてハンカチや下着にまで鼻をこすりつける。
「ぁ……ハジメの匂い。ハジメの……」
そういえば発情期直前のオメガはアルファの匂いの付いたものを集めて巣作りをするという。これはもしかして。僕はハジメを求めているのか?
「ぁ? ぁぁあ? 何? な?」
自覚した途端に自分の身体からむせかえるような甘い匂いがあふれ出した。
「そうだ……抑制剤……飲まなきゃ」
その時スマホに着信があった。画面にはハジメの名前が出ている。
僕は震える手でスマホを手に取った。
「すぐる? 今買い物に来てるんやけど何か食べたいもんある? たこやきでも買って帰ろか?」
ハジメの声を聞いただけで体中に電撃が走り、僕は射精してしまった。
「ぁあんっ……ハジメぇ……」
「どないしたんや! すぐる? なんかあったんやな? すぐ帰るよって待っててや!」
耳元でハジメの声が響く。それだけで身体がビクビクと反応する。
過ぎる快感に恐怖と不安が入り交ざる。すがるようにハジメのTシャツを引き寄せその匂いを嗅いだ。身体に染み入るような感覚。もっとこの匂いを嗅ぎたい。もっともっと。
(こんなの怖い……僕……どうなってしまうんだろ)
身体の奥が疼いて仕方がない。僕はハジメの下着に自分の雄を擦りつけた。
(僕はどうしてこんなことを? こんなのまるで……獣みたいだ)
どれほど時間がたったのだろうか?バタバタと足音が聞こえるとドアが開いた。
「すぐる! 大丈夫か? ぁあ? なんやこれ……」
「……ぁ……ハ……ジメ?」
ハジメはしばらく僕を見て唖然としていた。
すでに僕は何回射精したのかもわからなくなっていた。
口にはハジメが履いていたチノパンを咥えている。ちょうどジッパーのあたりを舐めていたのだ。浅ましいと頭の片隅で思っているのに身体はアルファを求めていた。
「欲しい……ハジメが……ちょう……だい」
ハジメがごくりと喉を鳴らすとぶわっとアルファの匂いが部屋に充満した。
ベット脇のクロ―ゼットは荒らされたように扉が開き中のものが散乱していた。
カバンやベルト、服だけでなく小物やありとあらゆるものが転がっている。
ベットの上にはハジメの服が山積みにされており、その中に包まるようにして僕がいる。
「これ……巣作りか? 発情期がきたせいなのか? ……」
「わから……ない。……ハジメの……ことを考えて……気づいたら……」
「くそっ……」
ハジメはポケットから錠剤をだし口の中に放り込んだ。
はぁはぁと息が荒い。
「ちっ。抑制剤が効かねえ。……すぐるの破壊力は強えぇわ! やばい。めちゃめちゃにしてまうかも」
「ハジメになら……何をされても……いい」
「ああっ! もぉ! あかんって煽るなや!」
ハジメがベットの上に乗り僕に覆いかぶさってきた。
「んっ……ふぅんっ……んん」
口づけが甘い。絡めた舌から溶けてしまいそうだ。
「はっ……ごめんやで、優しくできそうもないわ」
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