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10-1 運命の番****
*R18要素あり。背後にご注意ください。
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それから朝比奈らと別れて帰宅した。時間はすでに深夜になっていた。
「お疲れ様」
「めっちゃ疲れたわ」
「うん。でも自分の出生の秘密みたいなのがわかってよかったよ」
「なんや映画の題名みたいやな」
「くくく。そうだね」
「……ホンマにあれでよかったんか?」
「うん。いいよ。今の僕にはハジメがいるもの」
そうだ。もう僕は一人じゃない。ハジメも朝比奈もいてくれる。
「すぐるは人が良すぎるなあ。恨みごとのひとつぐらい言うてもよかったのに」
「だって恨んでないから。母さんは優しかったし祖父は厳格だったけどいじめられたりしてないからね。草壁さんが居たから僕は産まれたんだろうし。それに今はハジメに会えて毎日が幸せだよ」
「お前ってやつは……」
ぎゅっと抱きしめられた。
「ハジメ? どうしたの?」
「やっぱり早めに籍だけでも入れよう」
「どうしたの急に?」
「俺が心配やねん。すぐるはなんかふわふわしてて捕まえてないとどっかに飛んで行ってしまいそうやから。頼む。俺という鎖に縛られてくれ」
不安にさせてるってこと? 僕が?
「ハジメが僕の鎖になるの?」
「そうや。俺はものすごく重い鎖やで。がんじがらめにして、すぐるが嫌がっても離すことはない。それでも俺を選んでくれへんかな」
「選ぶなんて。最初から僕にはハジメしかいないよ」
「すぐる……」
「んん……」
ハジメが僕を抱き寄せ口づける。どこまでも優しい手つきで決して嫌がる事はしない。それなのに目だけはいつもギラギラしてて獲物をねらう獣みたいだ。
ふわっと甘い匂いが漂う。
「あ……れ? 発情期なのか……な?」
通常の周期は3~6か月だと聞いた。だけど僕は初めての発情期が遅かったせいか未だに期間が定まらない。
「俺のせいやと思う。アルファのフェロモンがすぐるのオメガ性を誘発してるんや」
「そうなのかな……?」
「普段は出来るだけ抑え込んでるんやけどな。ときどきすぐるが可愛すぎて抑えきれなくなるんや。今日はもうあかん。抱きたい。すぐる。嫌か? 嫌ならやめる。風呂場で発散してくるから……」
なんてことを言うの? そんなの拒めないじゃん。
「ハジメのばか。嫌なわけないってわかってるくせに」
「へへ。すぐるにそう言うて欲しかってん」
ハジメが僕の服を脱がしていく。ベットに押し倒れた時にかつらが脱げる。
「すぐるはどんな色でも似あうけど。やっぱ俺。この髪の色の方がいいわ」
「うん。僕もそう思うよ」
ふふと笑いあうとキスを再開する。
「すぐる……愛してる」
ハジメの声に酔う。甘い香りが強く漂い、音から匂いから犯されそうになる。濃厚で頭の芯までツキンと貫かれた。
「あっ……」
筋肉質な上半身を露にしたハジメが僕にのしかかってくる。自分の身体とは違う逞しい体に腕を回すと荒々しく口づけされた。息ができないほど苦しいのにそんなにも求めてくれてるのかと嬉しくてたまらなくなる。
「ああ……すごく良い匂いがする」
ハジメが僕の胸の上で甘く囁く。その声さえも媚薬のようにゾクゾクする。ハジメの硬い雄がすでに勃ち上がっている僕の股間にあたる。同時にじゅわっと後ろが濡れてくるのわかった。
「は……ぁ……」
ハジメの指を待てずに自分から腰を揺らす。ぴちゃっという水音がした。
「すごい。こんなに濡らして。俺が欲しい?」
「ん……ハジメが欲しい」
「可愛い……」
ハジメの雄が焦らすように尻の狭間数回擦りつける。それだけびくびくと身体が反応する。
「ん……ん……焦らさないで……」
「わかった」
つぷっと先端を飲み込むとゆっくりと挿入してくるのがわかった。僕は自然と息を吐いて迎えやすくする。
「慣らさなくても……挿れるようになったね」
「ハジメが……そうした」
「うん。俺が教えたんだ」
満足げに息を吐くとハジメがゆっくりと腰を回す。
「んぁ……あ……」
挿ってくる。じわじわと肉の襞を押し広げる様に熱くて硬いハジメの雄が。
パンっという音共に律動が始まった。
「うぁ……あああ……いい……ああ」
何これ? 気持ちいい。凄い。身体の奥がうねる。
「ぁ? すぐ……る」
ハジメが苦しそうな表情になる。じっとりと額に汗が滲んでいる。ああこんな顔をさせることが出来るのは僕だけなんだ。そう思うと体の奥が熱くなった。
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