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10-2***
*R18要素あり。背後にご注意ください。
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ぶわあっと熱いものが身体から放たれた。部屋中にアルファとオメガの淫靡な香りが充満する。
「んぁ。すご……すぐるの中熱くて……うねって絞りとられそうや」
はっはっ……とハジメが無心に腰を振り始めた。
「ぁあ……気持ち……いい……んああああ……」
繋がっている喜びと襲い来る快感に我を忘れそうになる。
ふっとハジメのすべてが欲しくなる。この男の精も愛情も心も身体も全部。
「んあ……は、ハジメ……ハジメぇ!」
「はっ……は……すぐる……?」
僕の声に少しだけ理性がもどったのかハジメの動きがゆっくりとなる。
「噛んで……僕を番にして」
「……え? こんな……タイミングで言うたら俺ホンマにお前に噛みついてしまうで!」
「うん。ハジメが……欲しい。欲しくて堪らないんだ」
朝比奈が言っていた本能でわかるときがくるってこの事だったんだ。
「ホンマか? ホンマにいいんか? 番ったら俺以外には発情せえへんし他に好きな相手が出来ても……」
「僕はハジメだけだよ」
「いや、でも俺しか経験がないだけで他に良いヤツがおったら……いや、そんな奴いたら俺が消してしまうけどな。だけど噛まれるの怖いやろ?」
「ハジメなら怖くないよ。ハジメだったら何をされてもいいんだ」
「すぐる! もうあかんで。キャンセルさせへんで。俺と番になってくれ!」
ハジメが僕の中から雄を引き抜くと抜かれた快感で悲鳴のような声がでた。
「ひゃぁう……」
すぐさま反転させられ腰を高く抱えられた。
「行くで。もう止まれへんからな!」
ずん!と背後から奥まで突き上げられる。
「んあっ……!」
目の前がチカチカする。乱暴に最奥を擦られるたびにのけぞり悦がりまくった。先ほどまでと比べ物にならないくらい興奮する。
「ンぁ。イイ! ……噛んで……あ。噛んで! 早く!も……イク」
グルルル……と唸り声が聞こえた瞬間、うなじに鋭い痛みが走った。犬歯が肉を裂く感覚に喰われてしまうと思うほどに。でもそれは恐怖ではなく恍惚感で。熱い血流がどくどくと脈拍打ち全身に行き渡る。
押し寄せる多幸感が嬉しい。体の奥に熱い精を放たれる心地よさに満たされた。
◇◆◇
スマホの受電の音で目が覚める。気怠い体を叱咤し身体を起こすと朝比奈の声がした。
「おはよう。大丈夫か? 昨日の事があったから心配で電話してん」
「おばよ……う。ケホケホっ」
「すぐる? どうしたん? ハジメか? すぐに駆け付けるからな」
「あ……ちが……」
昨夜叫びすぎたのか声が出なかった。ハジメはまだ隣で寝ている。あのまま寝てしまったにしては身体が綺麗になっていた。きっと僕が気を失った後でハジメが風呂まで運んでくれたのだろう。いつものことながら後始末をさせてしまったことに後悔する。
「ん? すぐる? 起きたんか?」
ハジメが眠そうな声を出した。
朝比奈は本当にすぐに駆け付けてくれた。そりゃそうだろう。自分の父親が見つかり帰宅した次の日に声もだせずに電話に出たら誰だって心配する。申し訳なさ過ぎた。
「ふうん。それで? もう一度聞くがハジメが無理やりヤッたんやないんやな?」
「違う。それは違うって同意の上や!」
「うん。僕が嚙んでって言ったんだ」
僕のうなじにはくっきりとハジメの歯形が刻印のように刻まれていた。手でうなじにふれるとボコボコした感触がする。思わずニヤケてしまう。
「まあ、すぐるが嬉しそうやからいいけど。俺としては言わんこっちゃないって感じやなあ。やっぱり俺と亜紀良さんが番になったこと、言うのが早かったかなあ」
「だからそうじゃないって」
ハジメが必死で弁解するが、朝比奈の顔を見るとどうやらからかっているだけみたいだ。
「ふふ。僕朝比奈さんのいう事が理解できたんだ。本能でわかるときが来るって。今回のことで僕は愛しい人を手放すことなんかできない。離れてしまうなんてことは出来ないって感じた。僕と母さんの愛し方は違うんだって思ったんだ」
好きな人の幸せのために離れることを選んだ母さん。好きな人の傍に居ることを誓った僕。どちらも間違ってはいないと思う。
「そうか。すぐるがそう決めたのならそれでいい」
朝比奈がまた僕の頭を撫でる。
「おい。撫でるなって」
「いいやんか。俺、弟とはすぐに離されてしまったからすぐるが弟みたいで可愛いんや」
朝比奈も心に傷を抱えてるのだろうか。
「…………たまにならいいけど。でも俺ら同じ歳やからな」
「はは。わかってるよ。俺が可愛がりたいだけやよ」
「僕、朝比奈さんの事は尊敬してるからお兄ちゃんみたいに思ってもいいよ」
「はあ? 待て待て。尊敬ってなんや。俺を差し置いて」
「くくく。まったくハジメは嫉妬深いなあ」
「ふふ。もう僕ら番だからね。安心してハジメ」
「なんや。お前ら二人して~」
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