番外編:3-③

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番外編:3-③

「この格好つけめ~」  じゅんがグリグリと頭を締めつけてくる。 「いででで。痛いって」 「このこのっ!」  すぐるはこちょこちょ攻撃だ。くすぐったくて仕方がない。 「あははっ。や~め~て~」 「もっといろいろと私利私欲めいたことも書いてしまおう!」 「そうやな!亜紀良さんの髪がいつまでもふさふさでありますように」 「ぷはっ。なんやそれ。それのどこが私利私欲なんや?」 「俺らは年齢差があるからさ。気にしてるんだよね」 「え~。スキンヘッドもかっこいいよ?」 「すぐる本気で言うてるんか?例えばハジメがスキンヘッドになったら?」 「……僕も髪の毛剃る」 「すぐるは剃らんとって。ハジメっ育毛剤買ってヘッドスパに行け!」 「待て待て。俺はスキンヘッドになるつもりはないぞ」 「ハジメは何をしてもかっこいいよ」 「でた!バカップル」 「お前んとこと一緒にするな」 「なにを~」 「まあまあ。二組とも仲良しってことでいいじゃん」  そこからはハチャメチャな願い事で短冊はいっぱいになった。 「惑星をひとつ買う」やら「瞬間移動」やらSFめいたことから「子供は4人」「週末はかならず休む」と現実めいたことまで。  最後は三人で星を見ながらまったりと過ごした。 「二人とも……ありがとうな」 「なんやハジメ改まって」 「俺がアイディアに行き詰ってるってのに気づいて気分転換させてくれたんやろ?」 「ありゃ。バレてたか」 「……ごめん。出過ぎた真似をしちゃって」 「いや。久しぶりに全く違う事考えたし。めっちゃ笑ったらすっきりした」 「そうか。それならよかった。たまには息抜きも必要やで」 「そうやな。根を詰めすぎてたかもしらんな」 「うん。顔色悪かったもの」  気負い過ぎていたのかもしれない。肩が張ってしんどくなっていたんだろう。もう少し気を楽にして余裕を持つようにしよう。 「それにしてもハジメはなんで願い事に世界一の布を作れるようになりたいとか書かなかったんや?」 「ん?だってなれるから」 「……へ?」 「うん。なれるよ。ハジメなら」 「俺の作る布はどこにもない。俺だけの布やから。出来る事を願うのはおかしいやろ?」 「参ったな。その自信はどっから来るんやろうか?」 「すぐるが俺を信じてくれるからに決まってるやん」 「来年もこの先もずっと僕達、友達で居ようね」 「当たり前やん」 「おう。まかせとけ」  星に願いを。皆ですこやかに暮らして行けますように。  読んでいただいた皆様へ感謝を込めて。  ありがとうございました。
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