いいつけ

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翌朝、中庭で変わり果てたエイミの姿が発見された。 東屋(あずまや)に吊るされた鳥籠の中には、凍りつく鳥の姿があった。 そして、仕事を終え、幾日かぶりに屋敷へ戻った夫は愛するものを亡くした事実を知る。 「どうして……」 夫は涙した。 「旦那様!」 侍女が非難の声を挙げる。 主の涙は妻にではなく、鳥へと手向けられていた。あろうことか、愛しそうに、その亡骸を両手で包みこんで……。 「たかが鳥一羽に!!」 侍女は、耐え切れないと、さらに声を荒げ、主を攻め立てた。 「だから!どうして!その、たかが鳥一羽の面倒が見られなかったんだ!夫の大切なものなのに!」 (まつ)られた妻、エイミの位牌へ向けられた夫の言葉は、いいつけを守らなかったと冷ややかだった。
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