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第8章 新たな生活と火種※
王宮学院での講義と研究は15時過ぎには終了した。フレッグ教授曰くいつもこれくらいには終わるようだ。終了後はエドワード様らと共に学院内にある図書館で本を読んで回った。18時過ぎに学院から王宮内の私達の部屋へと戻り夕食を取る事となった。
今、私達が住んでいる部屋は本来は妃やその子供達が住まう居住区の中にある。元は従者専用の居住区で寝泊まりしていたが、エドワード様の母親は既に亡くなっており他の側室達も何人かは実家に戻っているという事で空き部屋がかなり多かった為、ここで生活する事となったのだった。それにしてもこの部屋、かなり広い。レゼッタの自室よりも広いのではないか。家具などの調度品もレゼッタの自室に置かれていたものよりも高価そうだし紅の天蓋付きベッドも広々として大きい。
側室からも私達がここに住まうという事は賛成を頂いているとエドワード様は語ってくれた。彼曰く私達の事はカルナータカ侯爵家に出仕していたメイド、ではなく魔法薬の研究者(私の場合は研究者兼薬師)として紹介したらしい。メイドではなく研究者兼薬師という紹介のされ方はほんのちょっぴり嬉しさがこみあげたのだった。
ルネと私は互いに部屋に戻りドレスからメイド服に近い部屋着に着替え、夕食を頂く。
「お待たせしました。今日のディナーはこちらとなります」
ベテランの雰囲気を漂わせた白髪のメイドがカートに乗せたう夕食を部屋の机の上に置く。牛肉をローストしたものがメインで他には茶色いスープにサラダと白い三角形の形をしたケーキも並べられた。
「ではどうぞ、ごゆっくり」
「ありがとうございます」
夕食後は部屋にある浴室で入浴を楽しむ。メイドとして働いていた時とは生活スタイルがごっそり変わった事でまだ慣れない部分もあるが楽しみに感じる部分もある。父親から貰ったお給金も部屋のクローゼットの中に金庫を入れその中に大事に保管している。
その後カルナータカ家がどうなったのかは今の所情報は入っては来ていない。レゼッタが偽物の聖女であるとバレたという話も入っては来ていない。
(まあ、気にしないでいっか)
21時過ぎ。メイドが私のいる部屋に現れる。
「エドワード様がお呼びでございます」
「はい。すぐに参ります」
ああ、夜伽だ。とすぐに理解できた。こんな時間に私を呼ぶという事はそれしかないのだから。
エドワード様の部屋は私がいる部屋よりもずっと広いし家具や調度品も多い。天井や壁一面に金細工や絵画がちりばめられたかのように配置されている。王族らしい部屋だ。
「マルガリータです。失礼します」
「来たか。メイドは下がっていいぞ」
「はい」
メイドが一礼し扉を閉め、彼女の靴音がだんだんと小さくなり最終的には聞こえなくなった場面でエドワード様はドアの近くで立っている私に近づき、お姫様抱っこをしてベッドまで連れていく。
私の部屋にあるベッドよりもサイズの大きなベッドの上で仰向けにされた私はそのまま服越しに左胸をわしづかみにされ揉まれていく。彼の掌には私の心臓の鼓動がはっきりと聞こえているだろう。
胸を揉まれながら足を開かれ、服の裾を捲し上げてからすでに濡れつつあるそこへ彼の指が下着をずらし滑るようにして中へと入っていく。
「んっ……はっんっ」
「ぐしょぐしょになってきている……」
(こうして言葉にされると恥ずかしさが増す……)
指が1本、更に2本と増えるにつれじゅるじゅると体液とエドワード様の指と膣壁が擦れる事で生じる音の音量が増していった。
「もう我慢できない、入れていいか?」
「は、はい……」
ズボンからそれを取り出し、ずぷりと私の膣奥まで突き上げるようにして入る。入ってすぐエドワード様は私の両腰に手を添え、支えるようにして固定した後は容赦なくぱんぱんと高速で腰を振り始めた。
「あっ……んっ! はあっ! んっーー!!」
もう我慢が効かない。私はエドワード様の精が尽き果てるまで何度も激しく彼に抱かれたのだった。
次の日。ルネと共に王宮学院へと登校し、エントランスフロアを歩いていた時だった。私達の目の前にいきなりカラフルなドレスを着た令嬢方が道をふさぐようにして現れる。
「あなた方。ちょっとお話があるのだけどよろしいかしら?」
真ん中に立つ金髪碧眼の令嬢がそう高圧的に私とルネへ告げる。ああ、なんだかレゼッタとカルナータカ夫人と似たような雰囲気を感じる。これはそう、折檻を受ける前のあのぴりぴりとした空気だ。
その空気をルネも敏感に感じ取っていたようで、ルネは作り笑いを浮かべながら急いでいるので失礼。と言って回り道をしようとする。するとそこへ金髪をロール状に巻いた赤い派手なドレスを着用した令嬢が左後ろからこつこつと現れる。
「お待ちなさい。逃げるのは許さなくてよ」
「……!」
「警戒しているようね。でもあなた方がエドワード王太子様と仲が非常によろしいのは知っておりますわ。隠したって無駄でございます」
彼女はそう言って蛇のようにじろりと私とルネを睨みつけたのだった。
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