SF映画の傑作 『惑星ソラリス』とバッハ

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SF映画の傑作 『惑星ソラリス』とバッハ

『惑星ソラリス』(1972)はスタンリー・キューブリックの『2001年宇宙の旅』(1968)と比肩されるSF映画の傑作で、アンドレイ・タルコフスキー監督の名を不朽のものにした。  ポーランドのSF作家スタニスラフ・レムのベストセラー長篇「ソラリスの陽のもとに」の映画化であるが、"未知なるもの"と遭遇して極限状況に置かれた人間の内面に光をあて、「愛」と「良心」をめぐる道徳・哲学的な問題を提起。深い洞察と独特の映画表現によって、映像による思弁ともいうべきタルコフスキーの世界を構築している。そして、これまでのSF映画に見られない新たな地平を拓いた画期的作品として、多くのファンを今なお魅了し続けているのである。 [ストーリー]  映画はプロローグ(地上の現実)とエピローグ(惑星での未来)を持つ2部作。  惑星ソラリス、それは宇宙のかなたの謎の星で、生物は存在は確認されないが、理性を持った有機体と推測されるプラズマ状の“海”によって被おおわれていた。世界中の科学者達の注目が集まり、"海"と接触しようとする試みが幾度か繰り返されたが、いずれも失敗に終った。そして、ソラリスの軌道上にある観測ステーションは原因不明の混乱に陥ってしまっていた。  心理学者クリスが原因究明と打開のために送られることになった。美しい緑に囲まれた我が家を後に宇宙ステーションヘと飛び立つクリス……  しかし彼を待っていたのは異常な静寂と恐しい程の荒廃だった。物理学者ギバリャンは謎の自殺を遂げ、残った二人の科学者も何者かに怯えている。そんなある日、突然クリスの前に、すでに10年前に自殺した妻ハリーが現われた。  彼女はソラリスの"海"が送ってよこした幻だった。"海"は人間の潜在意識を探り出してそれを実体化していたのである。妻の自殺に悔恨の思いを抱いていたクリスは、遂には幻のハリーを愛するようになるが、科学者としての使命感と個人的な良心との相剋そうこくに悩まされる…… (アンドレイ・タルコフスキー映画祭より)  ︎  当時友人が録音してくれたカセットテープの最後に『ソラリス』が入っていた。  気に入って、何度も何度も聴いた。映画『惑星ソラリス』とは、どんな素晴らしい映画なのだ? 原曲はバッハのシンフォニア2番。  映画を観たかったが、まだビデオは存在しなかった。パソコンもない。    ずいぶん経ってから観た『惑星ソラリス』は……  映画は全然理解できなかった。ビデオを借りて観たが、眠った……  シンフォニアはどこに? 流れているのはバッハのコラール『イエスよ、わたしは主の名を呼ぶ』  検索してもわからない。記憶違いか?   コラール前奏曲 『イエスよ、わたしは主の名を呼ぶ』(BWV 639 )をホロヴィッツのピアノで聴いてみた。ホロヴィッツの画像には違和感が……  ︎  僕たちはピアノを習うとき、鍵盤と手のひらの間に鶏の卵が1個入るように指を軽く曲げて指先で打鍵するということを ピアノ演奏の基本中の基本として徹底的に鍛えられましたが、こうした基本をホロヴィッツは真っ向から無視しています。ホロヴィッツの弾き方は指をまっすぐ伸ばして指の腹で打鍵するものです。 彼の愛用の楽器である古いニューヨーク・スタインウェイの古めかしい音色と相まって、これがホロヴィッツ独特のつややかで艶めかしい音色の要因となっていることは間違いなさそうですが、この奏法で数々の超絶的な難曲で超人的な名演奏を残してきたのは、ホロヴィッツが類まれな天才であったからだということは間違いないと思います。僕たちがこんな弾き方をしようものなら、まともな演奏は1つとしてできないと思いますし、それ以前にピアノの先生からきつく注意されて徹底的に矯正されると思います。 (ピアニストの道より抜粋)  しつこく検索してようやく発見。  冨田勲(シンセサイザー音楽作家、奏者)の『宇宙幻想』の8曲目の『惑星ソラリス』 『ソラリスの海』(J・S・バッハ) ・シンフォニア第2番(BWV788) ・我汝に呼ばわる、主イエス・キリストよ(BWV639) ソラリスの海 冨田勲 https://youtu.be/MVF45Kn_ZYg シンフォニア第2番(BWV788) https://youtu.be/_xKa1aKW3v8 イエスよ、わたしは主の名を呼ぶ ホロヴィッツ https://youtu.be/cMlgyCb6vfg?si=ZIovtiu9B0fpiziG
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