憂鬱な午後

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『ごめん』とか『こっちが悪かった』とか、もうどうでもよくて。 あたしは善三の片手を掴んだ。 「あたしもペンギン見たい!」 「うん、もしかしたらまだ動いてないかも」 「なにそれ」 「大きなペンギンが一羽だけ、空を見上げたままなんだよ」 「みたい!」 「うん!ところで」 「なに?」 「服と帽子、すごく似合っててカワイイ」 「うそ!」 「うそじゃないよ、なんかもうゾウより鼻の下が伸びてる」 雲の切れ間から光が差して。 照れてる顔を善三に見られたくなくて。 あたしは帽子を深くかぶって、また一緒に歩き出した。 ━━━━完━━━━
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