【初秋の朝】

3/3
前へ
/65ページ
次へ
デニムのミニスカートから、 スラリと伸びる美脚が、 堪らなく(たまらなく)美しい。 脚フェチ夫の私は、 超絶美しいひずえの脚が大好きだ。 出掛ける前に、まずは、 可愛いひずえの姿を 一枚、撮っておく。 さながら、 アイドルのオフカット写真である。 「ほんと、可愛いわー、ひずえーー」 心の声をダダ洩れさせながら、 ひずえに抱きつく夫である。 「きゃーー」 ダイニングの上には、 忘れ去られようとしている 飲みかけのコーヒーが朝陽に照らされて ユラユラと輝いてる。 「コーヒー、もう流すぞー」 「うん、ごめんね、  せっかく淹れてくれたのに」 ひずえは、ダイニング横の大きな姿見で、 最後の化粧、髪型のチェックに余念がない。 そうやっている妻ひずえを見ているだけで 幸せな気分になる。 横を向いたり、後ろを向いたり、 髪の毛を少し触ってみたり、 そのたびに、いつもの芳しい(かぐわしい) ひずえの香りが、ダイニングを包み込むのだ。 飲みかけのコーヒーカップを2つ持って チェックに余念がないひずえの横を抜けて、 アイランドキッチンのシンクで 私は洗い物だ。 ひずえは、コーヒーの事など頭の片隅にも ないほど、身支度に余念がない。 まぁ、何をしてても、 可愛い妻、ひずえなのである。
/65ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加