子守歌

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全国高等学校テニス選手権大会インターハイ全国大会を終えて部活を引退した9月のある日、私は実の母のお墓に行くことにした。 実の母のお墓は、実の母の弟さんに教えていただいた。 お墓に到着した私はさっそくお墓の周りの草取りをしたり、墓石に生えた苔を丁寧に取り除いたりした。 また掃除を終えたら、墓地で借りた手桶と柄杓で墓石に水をかけた。 そして新しく花を生け、束のままの線香に火をつけて供えた。 私はお墓の前で手を合わせて、心の中で全国大会のことを報告した。 (お母さん、私テニスの全国大会で優勝したよ!) この時私は、決勝戦前に実の母から声をかけられたことを思い出していた。 (お母さん、決勝戦前に私の近くにいてくれてありがとね!  これからも私のことを天国から見守ってください。) 私がさらに心の中で声をかけると、私の目の前に実の母が現れて、笑顔で手を振って頷いてくれているように感じた。 実の母は、あっという間に消えてしまった。 私は孤児として生きてきたけれど、幸せだと感じている。 これからも私は、自分なりに精一杯生きていくことを天国の実の母に誓った。
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