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私の名前は『璃彩(りさ)』、静岡市内の高校に通う4月に3年生に進級した女子だ。
私は女子テニス部に所属していて、今年は個人と団体で全国大会に出場することを目標に練習に励んでいる。
練習は厳しさを増していて、平日の授業後だけでなく土曜日日曜日も休まず部活に出ていた。
充実した日々を送っているけれど、実は私は両親のことを知らない孤児だ。
産まれてすぐに児童養護施設に預けられた私は、5歳になった頃に里親の元で育てられることになった。
私の里親の父と母は、血が繋がっていない私に対して、とても優しくて本当の子供のように愛情を注いでくれていることを実感していた。
でも私を産んだ実の母に会いたいという気持ちは、常に私の心の片隅にあることは確かだった。
そんな私の気持ちを察して里親の母は、
「いつか本当のお母さんに会えるといいね!」
と言葉をかけてくれることがあった。
こんな里親の母の気遣いに、私はとても感謝している。
だから私は、里親の父と母に余計な心配をかけまいと、勉強も部活も自分なりに頑張っているつもりだ。
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