第一のサイコキラー

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「そんなにヤバい顔してた!?」 咲はごまかす様に、作り笑顔を見せた。 「うん、少しの間ね。何か良からぬ事を考えてたのか不安になった」 「ちょっと、この前の事故を思い出してた。科学の実習の時、委員長が腕に火傷をしたでしょ。吉岡さんをかばって左腕に、塩酸がかかって、危なかったなって思い出した」 夏実は一旦頭の中で思いを巡らせると、声を上げた。 「あれは、危なかったね。委員長がかばってなかったら、吉岡さん顔に塩酸浴びてた」 咲はその通りと頷くと、話しを続けた。 「実はあの事故、恵達の仕業じゃないか疑ってるの。恵、吉岡さんによくつっかかって来るじゃない?」 「まさか!?いくらイジメでも火傷を負わせるとかは、犯罪だよ!あり得ない」 夏実の発言に咲は考え過ぎてるのか、自分を疑った。  二人はそのまま会話をしながら教室へ 入った。 そこで二人が目にしたものは、まさに話題に上がっていた、吉岡美保と中山恵の口論であった。
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